南フランスを旅するなら、ニースから少し足を延ばして訪れてみたいモナコ公国(Principauté de Monaco)。
私たちもニース滞在中にモナコへ行きました。
モナコと聞くと、
「カジノ」
「F1」
「高級ホテル」
「豪華なヨット」
そんな華やかなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
私も訪れる前は、そんな印象を持っていました。
けれど実際に歩いてみると、海と山の間の限られた土地に歴史ある建物と現代建築がぎゅっと詰まり、想像していた以上に興味深い国でした。
今回は、モナコを歩く前に知っておきたい
- モナコはどんな国?
- モナコの歴史
- モナコとモンテカルロの違い
- 有名な観光スポット
- 建築・インテリア
- 食文化
- お土産
- 気候・服装
- 50代からの街歩きで気をつけたいこと
などをまとめています。
次の記事では、私が実際にモナコを歩いた観光コースをご紹介します。

モナコってどんな国?
まず知っておきたいのが、
モナコはフランスの都市ではなく「モナコ公国」という独立した国だということです。
フランス南東部の地中海沿岸に位置し、フランスとイタリアの国境にも近い、とても小さな国です。
面積は約2.08平方キロメートル。
数字だけではなかなか大きさを想像しにくいのですが、
東京ドーム約44個分ほど。
「ひとつの国が東京ドーム約44個分」と考えると、その小ささが少しイメージしやすくなります。
人口は2025年の公式人口で約3万9千人。
とても小さな国土の中に、宮殿、旧市街、港、カジノ、高級ホテル、住宅、高層建築などが集まっています。
公用語はフランス語で、通貨はユーロ。
地理的にもイタリアに近く、フランスとイタリア、そして地中海の文化が混ざり合った雰囲気を感じられます。
モナコとモンテカルロは違う?
私自身、最初は少し分かりにくかったのが、
「モナコ」と「モンテカルロ」の違いです。
モナコは国の名前。
一方、モンテカルロ(Monte-Carlo)はモナコ国内にある地区のひとつ。
有名なカジノ・ド・モンテカルロや高級ホテル、ブランドショップなどが集まっている華やかなエリアがモンテカルロ。
そのため、テレビや雑誌などでモナコを紹介するときにモンテカルロの映像を見ることが多く、
「モナコ=モンテカルロ」
というイメージを持つ方も多いのかもしれません。
私もその一人です😅
モナコの主なエリア
小さな国ですが、実際に歩いてみるとエリアによって雰囲気がかなり違います。
モナコ・ヴィル(Monaco-Ville)
「ル・ロシェ=岩山」と呼ばれる旧市街。
モナコ大公宮殿やモナコ大聖堂、海洋博物館などがあります。
石造りの建物や細い路地が残り、華やかなモンテカルロとはまた違った歴史を感じられるエリア。
モンテカルロ(Monte-Carlo)
モナコを代表する華やかなエリア。
カジノ・ド・モンテカルロを中心に、高級ホテルやブランドショップ、美しく整えられた庭園などが集まっています。
ラ・コンダミーヌ(La Condamine)
エルキュール港周辺のエリア。
市場やカフェ、ショップもあり、高級リゾートというだけではないモナコの「暮らし」を少し感じられる場所。
フォンヴィエイユ(Fontvieille)
海を埋め立てて造られた地区。
土地が限られているモナコならではの都市計画を見ることができます。
建築や街づくりに興味がある方にも面白いエリアだと思います。
700年以上続くモナコの歴史
モナコの歴史を知るうえで欠かせないのがグリマルディ家。
現在のモナコ大公家につながる歴史は1297年に始まります。
フランソワ・グリマルディが修道士に変装して要塞に入り、モナコの岩山を奪ったという逸話が残されています。
現在のモナコの紋章にも、剣を持った2人の修道士が描かれています。
小さな国ですが、グリマルディ家の歴史は700年以上。
こうした歴史を少し知ってから大公宮殿や旧市街を歩くと、建物の見え方も変わってきます。
華やかなモンテカルロが誕生した19世紀
現在の華やかなモナコの基礎がつくられたのは19世紀です。
なぜモンテカルロでカジノが発展したのでしょうか。
当時のモナコは、マントンとロクブリュヌがモナコの支配を離れたことで、国土と大きな収入源を失い、新しい財源を必要としていました。
そこで注目されたのが、ヨーロッパの富裕層を呼び込むためのカジノ事業だったそうです。
当時、隣国フランスでは賭博場が禁止されていたこともあり、地中海沿岸の温暖な気候と美しい景観を生かして、モナコに人を呼び込もうと考えられました。
1863年には、カジノ経営で実績のあったフランソワ・ブランが事業に加わり、カジノだけでなくホテルや劇場、レストランなども整備されていきます。
そして1866年、この一帯はシャルル3世にちなんで**「モンテカルロ」**と名付けられました。
モンテカルロは、単にカジノがある街として生まれたのではなく、小さな国の経済を立て直すために、街全体を高級リゾートとして育てていった場所だったのです。
現在もカジノ広場周辺には、その時代の華やかさを感じさせる建築が残っています。

グレース・ケリーとモナコ
モナコを世界的にさらに有名にした人物のひとりが、アメリカの女優グレース・ケリーです。
1956年、モナコ大公レーニエ3世と結婚し、モナコ公妃となりました。
ハリウッド女優からモナコ公妃となった物語は、現在もモナコを語るうえで欠かせません。
結婚式が行われたモナコ大聖堂には、現在レーニエ3世とグレース公妃が眠っています。
街の中にもプリンセス・グレースの名前が付いた場所があり、今もその存在を感じることができます。

F1モナコグランプリ
モナコといえば、F1を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
第1回モナコグランプリが開催されたのは1929年。
モナコGPの面白いところは、専用サーキットではなく、普段一般車が走っている街の道路がコースになること。
実際に街を歩いてみると、
「本当にここをF1マシンが走るの?」
と思うような狭い道や急カーブがあります。
特に有名なのがフェアモント・ヘアピン。
私たちも実際にこの場所を見ることができました。
テレビで見ていたF1コースが、普段は普通の道路として使われている光景はとても不思議でした。

モナコで見ておきたい場所
1.モナコ大公宮殿
モナコ・ヴィルの岩山の上に建つ大公宮殿。
現在もモナコ大公の公邸として使用されています。
もともとは要塞だったため、華やかな宮殿でありながら外観には防御施設だった頃の面影も感じられます。
宮殿前の広場からはモナコの街や港を見渡すことができ、この場所から見る景色も印象的です。

2.モナコ大聖堂
白い石造りが美しいモナコ大聖堂。
19世紀に建設されたロマネスク・ビザンチン様式の建物です。
モナコ歴代大公の墓所でもあり、レーニエ3世とグレース公妃もここに眠っています。
華やかなモンテカルロとは違う、静かで重厚なモナコを感じられる場所です。
3.カジノ・ド・モンテカルロ
モナコを象徴する建物のひとつ。
カジノ広場に立つ華やかな建築は、内部を利用しなくても外観を見るだけでも印象に残ります。
ベル・エポックらしい装飾的な建築や、シャルル・ガルニエによる建築空間など、建築やインテリアが好きな方にも見どころがあります。
カジノ内部を見学・利用する場合は、年齢や身分証明書、服装など条件があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。

4.エルキュール港
モナコの中心に広がる港。
たくさんのヨットや大型クルーザーが並ぶ、モナコらしい景色を見ることができます。
港のすぐ後ろには高層建築、そのさらに後ろには山。
この景色を見ると、モナコが限られた土地の中につくられた国であることがよく分かります。

5.モナコ海洋博物館
地中海を見下ろす断崖に建つ海洋博物館。
海洋研究に熱心だったアルベール1世によって設立されました。
岩壁の上に大きな建築が立つ姿は圧巻です。
建築が好きな方なら、展示だけではなく建物と海、崖との関係もぜひ見てほしい場所です。
建築・インテリアの仕事をしている私が気になったモナコ
住宅設計やインテリアの仕事をしていることもあり、旅先ではつい建物や街のつくりを見てしまいます。
モナコで特に興味深かったのが、
「これほど土地が少ない場所で、どのように街を成立させているのか」
ということでした。
モナコは海と山に挟まれた、とても小さな国です。
そのため街は横に広がるというより、上下方向に重なっているように感じます。
坂道。
階段。
トンネル。
高層住宅。
地下空間。
公共エレベーター。
エスカレーター。
それらを組み合わせながら、人が街の中を移動できるようにつくられています。
一見すると高低差が大きく、
「ここを全部歩くのは大変そう」
と思うのですが、公共エレベーターやエスカレーターを上手に使えば負担を減らすことができます。
住宅設計では一つの敷地をどう使うかを考えますが、モナコを歩いていると、
国全体がひとつの立体的な建築のよう。
そんな印象を受けました。

歴史的建築と現代建築が隣り合う街
モナコ・ヴィルには石造りの建物や細い路地。
モンテカルロには装飾的で華やかなベル・エポックの建築。
港周辺にはガラスやコンクリートを使った現代的な高層建築。
さらに、海を埋め立てて新しい土地までつくられています。
歴史的な景観を残しながら、そのすぐ近くで新しい都市開発が進んでいる。
この新旧の対比も、モナコの面白さだと思いました。
モナコで食べてみたいもの
モナコの食文化には、フランス南部とイタリア北西部、そして地中海の影響があります。
バルバジュアン(Barbagiuàn)
モナコを代表する郷土料理のひとつ。
薄い生地に野菜やチーズなどを包んで揚げた料理で、軽食としても食べられています。
モナコらしいものを食べてみたい方は、見つけたら試してみたい一品です。
フーガス・モネガスク
モナコ伝統の甘いフーガス。
南フランスで見かける塩味のフーガスとは異なり、モナコでは甘いお菓子として作られるものがあります。
地中海の魚介料理
目の前が地中海ということもあり、魚介を使った料理も豊富です。
また、イタリアに近いためパスタなどのイタリア料理も多く、フランスとイタリアの間に位置するモナコらしさを感じます。
ラ・コンダミーヌ市場
「モナコ=高級レストラン」というイメージがありますが、地元らしい雰囲気を感じたいならラ・コンダミーヌ市場もおすすめです。
市場を歩くと、観光地だけではないモナコの日常を少し垣間見ることができます。
モナコのお土産は何がおすすめ?
モナコの切手
小さくて軽く、旅の記念にもなるモナコの切手。
モナコには切手・貨幣博物館もあり、歴史ある切手や記念品を見ることができます。
荷物を増やしたくない海外旅行のお土産としても選びやすいと思います。
F1・モナコグランプリ関連グッズ
モナコらしさが分かりやすいのがF1関連。
キャップ、Tシャツ、キーホルダー、ミニカーなど、さまざまなグッズがあります。
F1好きな方へのお土産にもよさそうです。
旧市街の雑貨やハンドメイド品
モナコ・ヴィルには小さなお土産店やショップがあります。
モナコをモチーフにした雑貨や小物などを探しながら旧市街を歩くのも楽しみのひとつ。
大型店だけではなく、その土地らしい小さなお店を見るのも旅の楽しみです。
モンテカルロのブランドショップ
モンテカルロには世界的なブランドショップも集まっています。
購入しなくても、ショーウインドーや店舗デザインを見るだけでも楽しめます。
インテリアやディスプレイが好きな私は、お店の空間を見ることも旅先での楽しみのひとつです。
モナコの気候と服装
モナコは地中海性気候で、年間を通して比較的温暖です。
街歩きを楽しむなら、春から初夏、秋も旅行しやすい季節です。
私たちが訪れたのは4月。
春でも南フランス同様、日差しは思っていた以上に強く感じました。
帽子、サングラス、日焼け止め、飲み物などがあると安心です。
50代からのモナコ観光で感じたこと
小さい国=楽に歩ける、ではありません
モナコは東京ドーム約44個分ほどの小さな国。
地図を見ると、
「これなら歩けそう」
と思います。
でも、実際に歩いてみると問題は距離ではなく高低差でした。
坂や階段が多いため、平坦な街の500メートルとは疲れ方が違います。
公共エレベーターやエスカレーターもあるので、無理にすべて階段で移動せず、利用するのがおすすめです。
歩きやすい靴がおすすめ
モンテカルロというと少しおしゃれをしたくなりますが、観光中心なら歩きやすい靴がおすすめです。
港、旧市街、宮殿、モンテカルロと歩いているうちに、意外と距離が伸びます。
50代からの旅は、たくさん歩けることよりも、途中で休憩しながら翌日に疲れを残さないことも大切。
カフェなども利用しながら、自分のペースで歩くのがよいと思います。
モナコは「豪華な国」だけではありませんでした
訪れる前の私のモナコのイメージは、
カジノ。
F1。
高級車。
ヨット。
ブランドショップ。
「世界のお金持ちが集まる華やかな場所」という印象でした。
確かに、実際に行ってみるとそのイメージ通りの場所もあります。
でも、それだけではありませんでした。
700年以上続く大公家の歴史。
岩山の上に残る旧市街。
地中海とともに発展してきた文化。
限られた土地を最大限に利用する都市計画。
歴史的な建物と現代建築が隣り合う街並み。
華やかな表側だけではなく、その背景を少し知ってから歩くと、モナコという小さな国がより興味深く感じられました。
まとめ|小さな国に見どころがぎゅっと詰まったモナコ
面積は約2.08平方キロメートル。
東京ドーム約44個分ほどの小さな国です。
けれど、その中には、
歴史。
建築。
地中海。
大公宮殿。
F1。
食文化。
ベル・エポックの建物。
現代的な都市計画。
さまざまな魅力が凝縮されています。
ニースからも訪れやすく、南フランスを旅するなら少し足を延ばしてみたいモナコ。
ただ有名な観光地を見るだけではなく、その国の歴史や暮らしを知ってから歩くと、旅先で見えるものが少し変わるように思います。

次回|実際に歩いたモナコ観光コース
次の記事では、
私たちが実際にモナコでどのように移動し、どこを歩いたのか
を、旅の順番に沿ってご紹介します。
実際に歩いて分かった、
- 移動方法
- 坂道や高低差
- 実際に立ち寄った場所
- F1モナコGPのコース
- 休憩ポイント
- 50代から歩いて感じたこと
なども一緒にまとめる予定です。
ガイドブックのモデルコースではなく、実際に自分たちが歩いたコースとしてお伝えします。
→「モナコ1日観光|実際に歩いたコース」へ
※記事公開後、こちらにリンクを追加します。
旅の続きはこちら
Instagramでは、旅先で実際に撮影した写真や動画を中心に、50代からの大人旅・母娘旅を紹介しています。
noteでは、旅先で感じたことや、ブログとは少し違った視点で旅や日々のことを綴っています。
ブログでは詳しい旅情報、Instagramでは旅の景色や動画、noteでは旅の中で感じたこと。
それぞれ少しずつ違った内容で発信しています。
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